反・反原発派の政治的バイアス

池田信夫氏による、最新のエントリ("原子力の悲劇", http://ikedanobuo.livedoor.biz/archives/51748817.html) の反原発派の政治的バイアスを取り除くための精力的な活動には、敬意を表したい。


しかしながら、文脈を無視したり、恣意的に歪曲したり、引用を捏造するのは、よくないでしょう。最後から2つめのパラグラフです。括弧でくくっているから引用なのだろうけどリンク先のpdfに、「北朝鮮にも核武装の権利がある」という文言はありません:

核燃料が兵器にも転用できることは事実であり、石破茂氏もいうように、核武装憲法が禁じているわけでもない。しかし日本が核武装することは現実的にありえないし、すでに核兵器をつくるに十分な技術もプルトニウムも持っているので、原発を止めても核兵器の抑止にはならない。むしろ危険なのは、「北朝鮮にも核武装の権利がある」と主張する小出裕章氏のような反原発派である。


よしんば、括弧内は引用ではなく(小出裕章氏のpdfの)主張の要約であるとしましょう。そうであるならば、それをきちんと明示的に導いてあげないといけません。これでは反・反原発派にも、政治的バイアスがあるという誹りを免れないです。


攻撃的なのは池田信夫Blogのひとつの味なのかもしれませんが、少し勇み足がすぎるのではないでしょうか?まぁ、前述のエントリの目的は、書籍の紹介なのかもしれませんが……。ちょっと気になった次第です。