自由について
ホッブズ的自由とロック的自由
自由について法理学、思想史をさかのぼっていくと、ホッブズとロックの二人にぶつかります。どのレイヤーで「自由」を定義するか、という定義語の問題なのかもしれませんが。
まず、ホッブズ的自由から。
「なにをしてもフリーダム!」 [人間の自然状態は万人の万人に対する闘争]
(トマス・ホッブズ1588-1679,『リヴァイアサン』,岩波文庫)
つぎに、ロック的自由。
「万人が自然権を有する。他者の権利を侵さない限りにおいて自由!」 [人間は自然状態において自然権を持つ。自然権が社会的ルールを規定する]
(ジョン・ロック1632-1704,『市民政府論』,岩波文庫)
後者のロック的自由の考えは、アメリカ独立宣言経由で、わが国の自由のあり方にも多大な影響を与えています:わが国近代化の父である福沢諭吉の著書(たとえば『学問のすすめ』など)を読むと、如何に影響されているかがわかります。また現在の日本国憲法にも、その精神は生かされています(日本国憲法 前文)。
付言すると、自由と権利(自然権)という概念は、隣接していることが伺えます。
常識的に考えても、ロック的自由の定義はしっくりくる定義だと思います*1。